東京に行きすぎることはないのよ

照史くんの舞台を見に東京へ行った。一泊して帰る予定だったけれど、次の日が仕事になったので、日帰りにした。弾丸も弾丸で、舞台を見る以外はスタバでお茶を飲むことしかしていないけれども、それでも街の空気を吸って歩いてなんだか不思議と気晴らしになった。

相変わらず東京の地下鉄は難しく、「直通」の意味が理解できていなくて降りる必要のない地下鉄から降りたり、「連絡通路」が理解できていなくて出る必要のないホームから出たりした。Kindleでパラパラ見ていた「甘味特集」で、尾上松也さんが紹介していたパレスホテル東京のマロンシャンティがむちゃくちゃおいしそうに見え、朝、羽田空港から直接行って食べようと思い大手町で降り、地下通路からホテルに入ったら、ラウンジの立てメニューに「土日祝日の朝は、ご宿泊のお客様のみのご利用となっております」的なことが書いてあり、すごすごと退散した。知らなかった……。知らなかったうえ、なんだかとても素敵なホテルで、普通のカジュアルでロビーに立っていること自体が恥ずかしかった。もう少しちゃんとした格好ができるようになったら食べに行きたい。それか、テイクアウトかな。

そのあと、それならこっちに行ってみようと、「喫茶you」のある銀座まで地下鉄に乗った。マップを見ながら、松屋付近でなんだかものすごく迷い、ぐるぐると松屋の周りを回り続け、やっとたどり着く。

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無念、行列……。このときもう11時半。13時に六本木で待ち合わせだったので、並ぶのもあきらめた。松屋の近くにあったスターバックスに入って、チーズケーキとほうじ茶を頼んだ。レジのお兄さんがものすごく素敵な笑顔で接客してくださり(ストールを巻いていた私を見て”寒いですね!”と超かわいい寒い仕草をしてくれた)(自分でもちょろいと思うがこういうことをされるとときめいてしまう)、街ってすばらしいな……と思った。

そのあとよろよろと六本木へ向かい、六本木から六本木EXシアターへ行くまでにもうひと迷いし、へとへとになって劇場にインした。膝が笑っている……。

黒柳徹子さんの主演舞台だったので、ご年配のご夫婦がいらっしゃったり、徹子さんの熱心なファンと思しきご婦人がいらっしゃったり、新鮮だった。私の前に座っていらっしゃった女性4人は、純粋に舞台がお好きらしく、パンフレットを見ながら「この子がジャニーズ?」「ぽくないね」「もっと若く見えるね」「太鳳とドラマに出てたから私は知ってるわよ」とお話されており、そうです、あなたの太鳳とドラマに出ていたんです……と心の中でうなずいていた。舞台の感想はまたいずれ。照史くんの舞台で久しぶりに泣かなかった。強くなった気がした。

終演後外に出ると、もう薄暗かった。飛行機は19時ごろだったので、余裕もなく、その足ですぐ羽田に向かった。ベルンのミルフィーユを家族のお土産に買い、保安検査を抜け、ものすごく端っこにある搭乗口行の、バス待合所への歩く歩道に乗った。大体山口行は搭乗ロビーの一番端。あまりにおなかがすいていたので、搭乗口へ行くまでのショップを全部のぞいて、おむすびやサンドイッチのちょっとつまめるものがないか見て回ったが、何にもなかった。お弁当はあるけれど、疲れていてお弁当ひとつを食べる力がなかった。結局、最果てのショップにあったベーグルの最後の一個を買って、待合所で急いでモソモソ食べた。東京らしいもの、何も食べられなかった……。

帰りの飛行機は、誰かがお酒を飲んだ後の匂いがした。結婚式とかだろうかと思った。ギリギリに取った飛行機の席は、三人掛けの一番窓側。通路側に一人男性が座っていたけれど、間が空いていて快適だった。

舞台のことを思い出していたら、気づかないうちに雨が降ってきて、飛行機の翼が濡れていた。なんだか切なくなってしまい、機内放送でAimerの「Black Bird」を聞いていたらちょっと泣いてしまった。閃光にやかれたデヌーセ少佐。それでも生きている、生きなきゃならないデヌーセ少佐。それを演じた照史くん。愛おしくて救われて少し悲しい。やっぱり照史くんのことを尊敬するし、ああ好きだなと思った。思いながら飛んでいた。

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