いつまでも夢見るために歌ってほしい

夢がかなったあと、どうすればいいんだろう?と思ったことがある。

それは、おとぎ話が「そしてずっとずっと、幸せに暮らしましたとさ」で終わったあと、本当に?と思ってしまうことと少し似ている気がする。何かが叶うということは、願いが終わるということだと、大人になってから気がついた。何かにあこがれ続けること、何かを願い続けることは、意外と難しいのかもしれないということにも。

 ジャニーズWESTが、京セラドーム大阪という夢の大舞台を経た全国ツアーで『unlimited』を歌ったとき、心の中で小さな気泡がぷつぷつとふくらみ、それがはじけるのを感じた。焼きあがるパンケーキを見ているときのように、自分の気持ちにターナーを差し込んで、くるっとひっくり返したくなった。

 

あんなに美しい景色と、人生最大級のカタルシスを得た後で、まだ高らかに、あこがれについて歌ってくれるのが、嬉しかった。

 

人に夢を見せ続けるには、自分たちも夢を見続けなくてはいけない。こどもの頃は、夢を見続けることが苦しいことだなんて、思いもしなかった。ああなりたい、こうなりたい、ここへ行きたい、あれになりたい。それがこんなにも難しくて、ばかばかしいほどエネルギーがいるだなんて、想像もしなかった。

 今よりもっと上へ、上へと、木の葉が舞い上がっていく。風にもまれて翻弄されているばかりだったその木の葉が、いつか血を得て、心臓を得て、翼を得て、いつの間にか小さな鳥になっている。「自分で飛びたい」という気持ちが、全てのトリックになっている。

 いつまでも夢見ていようと思った。そのための努力をしようと思った。ああなりたい、こうなりたいと、幸福そうに未来の話をしてくれる人たちのことを、私はとても好きだ。

 

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